アートギャラリーと台湾料理店が融合したユニークな空間、六本木の「アートかビーフンか白厨(パイチュウ)」。
The Chain Museumが運営するこの場所が、2025年4月28日にオープン2周年を迎える。これを記念し、ファンがアーティストにエール(応援とビール)を贈れる、特別なクラフトビール『Beer For Artist(BFA)』が数量限定で登場した。
飲んで、贈る。
ファンと作家を繋ぐ『Beer For Artist』の仕組み
『Beer For Artist(BFA)』は、山梨県のブリュワリー「万珍醸造」とのコラボレーションで生まれたオリジナルビール。
最大の特徴は、2本セットで販売され(税込1600円)、1本は購入者自身が楽しみ、もう1本はアーティストへの「差し入れ」としてギャラリーに預けられる点にある。このアイデアは、白厨が開店当初から行ってきたウイスキーのボトルキープ制度「BFA(Bottle For Artist)」の精神を受け継ぐもの。
購入者はラベルの「FROM」欄に名前やメッセージを記入し、店頭スタッフに託す。アーティストは、ギャラリーに置かれたこれらの「差し入れビール」を自由に受け取り、ファンからの応援を形として感じることができる仕組みだ。
「FOR」欄に特定のアーティスト名を記すことも、「ALL」や「ARTIST」と書いて全てのアーティストへの贈り物とすることも。
© 株式会社The Chain Museum
味わいは柑橘香るエール。
「祝ビール」という応援の選択肢も
BFAビールのスタイルはゴールデンエール。
熊本県産の無農薬福原オレンジ(日本原産の柑橘)を使用し、夏みかんのような爽やかな酸味とほのかな甘み、さらに桜の香りがふわりと感じられるのが特徴だ(ABV 5.5%, IBU 14)。醸造を手掛けたのは、実験的なビール造りで知られる万珍醸造。彼らのクラフトマンシップが光る一杯となっている。
また、白厨ではスペースの都合上、開店祝いなどで贈られる「祝花」の受け取りを遠慮している。
その代わりとして、このBFAビールを「祝ビール」として半ダース(6本)単位で購入し、アーティストへの応援として贈ることも推奨している。これは、花よりビール、というユニークで実用的なお祝いの形と言えるだろう。
© 株式会社The Chain Museum
アートと食が交差する場所から生まれる新しいコミュニケーション
六本木の雑居ビル(再開発で取り壊し予定)の一角にある「アートかビーフンか白厨」は、アート鑑賞と本格的な台湾料理を同時に楽しめる稀有なスペースだ。
今回の『Beer For Artist』は、この場所だからこそ生まれた、アートファンとアーティスト間の新しいコミュニケーションの形。
限定ビールを片手に、作品について語り合ったり、あるいは遠くの作家に想いを馳せながらビールを託したり。アートをより身近に、そして温かく繋ぐこの試み、一度体験してみてはどうだろうか。
© 株式会社The Chain Museum
Top image: © 株式会社The Chain Museum