Appleは米国時間5月13日、自社製品に今後追加する複数のアクセシビリティ機能を発表した。文字を読むのを支援する機能や、リアルタイム字幕の表示、乗り物酔いの軽減など多岐にわたり、2025年内にリリース予定だ。発表は5月15日の「Global Accessibility Awareness Day」に先立って行われた。
同社は6月9日に開催する年次イベント「Worldwide Developers Conference(WWDC)」に向けて準備を進めており、そこでiOS 19を含むプラットフォームのアップデートを発表する見込みだ。サムスンやGoogleがAI機能をスマートフォンに取り込む中、「Apple Intelligence」のアップデートも発表する可能性が高い。こうしたAI機能の多くは、「iPhone」や「Pixel」などのデバイスのアクセシビリティを強化してきた。
「Appleでは、アクセシビリティはDNAの一部だ」と、最高経営責任者(CEO)のTim Cook氏は発表の中で述べた。「すべての人のためのテクノロジーを作ることは私たち全員の優先事項であり、われわれは年内に提供するイノベーションを誇りに思っている。これには、人々が重要な情報にアクセスし、周囲の世界を探究し、好きなことをできるよう支援するツール群が含まれる」
今回のアクセシビリティ機能はiPhoneのほか、「iPad」「Mac」「Apple Watch」「Apple Vision Pro」に順次導入される。以下に主な内容を示す。
Accessibility Nutrition Labels
「App Store」のアプリ/ゲームの製品ページに新たなセクションが追加され、「VoiceOver」、「音声コントロール」、「さらに大きな文字」、十分なコントラスト、視覚動作の削減、字幕など、対応するアクセシビリティ機能が一目で分かるようになる。開発者向けには、表示基準を満たすためのガイダンスも提供される。
拡大鏡がMacにも
これまでiPhoneやiPadで利用できた拡大鏡機能がMacにも導入される。iPhoneの「連係カメラ」やUSB接続カメラを使い、スクリーンやホワイトボードなどを拡大表示できる。「デスクビュー」を利用した書類読み取りや、明るさ・コントラスト・カラーフィルタの調整にも対応する。
Accessibility Reader
iPhone、iPad、Mac、Vision Proで利用できる新しい読書モード。フォント、色、行間を調整して読みやすさを向上させ、「読み上げコンテンツ」機能で画面上のテキストを読み上げることも可能だ。iOS、iPadOS、macOSの拡大鏡に統合されており、メニューや書籍など実世界のテキストにも利用できる。
Braille Access
iPhone、iPad、Mac、Vision Proを点字ノートテイカーとして使える機能。「点字画面入力」機能や連携する点字デバイスで入力してアプリを起動でき、点字でメモを取ったりNemeth Brailleコードを使って計算したりできる。
BRF(Braille Ready Format)ファイルの閲覧や、「ライブキャプション」との連携による会話の点字表示にも対応。
ライブキャプションがApple Watchにも
iPhoneで収音した音声を「AirPods」や「Beats」、補聴器に送る「ライブリスニング」がApple Watchにも拡張され、リアルタイム字幕をウォッチに表示できる。Apple Watchからライブリスニングの開始・終了や巻き戻し操作ができ、AirPods Pro 2の補聴機能とも連携する。
Apple Vision Proの視覚アクセシビリティ
Vision Proでは、Zoomの強化により周囲のあらゆるものを拡大表示できるようになる。「VoiceOver」ではvisionOSの「ライブ認識」により、物体の認識や文書読み上げに対応。承認済みアプリがメインカメラにアクセスできるAPIも提供され、「Be My Eyes」などのアプリでライブ視覚支援が利用可能になる。
その他のアクセシビリティ強化
この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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