こりゃマジで使える…「です」を変えるだけで一気に打ち解ける“神ワード”とは?写真はイメージです Photo:PIXTA

会話の中で戦略的にタメ口を使うことで関係性が親密になる、と言語学博士の堀田秀吾氏は言う。しかし、ビジネスシーンなどでいきなりタメ口を用いるのはハードルが高いと感じる人も多いだろう。そこで堀田氏が薦めるのは、敬語を使いつつフランクな印象も与えられる「大人のタメ口」だ。その使い方と効果を解説する。※本稿は、堀田秀吾『戦略的タメ口 結局、コミュ力の高い人がすべてを手に入れる』(WAVE出版)の一部を抜粋・編集したものです。

丁寧な敬語で話しながら
フレンドリーな印象を与える方法

 読者のみなさんのなかには、いきなりタメ口にシフトするのは難しい…という方もいらっしゃることでしょう。

 実は、敬語を使いながらフレンドリーに話す方法がいくつかあります。そのひとつが、ことばの「語気」を調整することです。

「語気」というのは、簡単にいうと、ことばの覇気や勢いのこと。発音や口調を柔らかくすると語気を弱めることができます。

 敬語は相手と少し距離を取る効果もあるため、語気を弱めることで、敬語のマイナス部分を補填し、穏やかで親しみやすい印象を与えることにつながります。

 例えば、「この件についてご意見をいただけますでしょうか」と直接的な言い方をするよりも、「この件、いかがでしょう?何か気になることがあればぜひ教えてくださいね」と言った方が相手も穏やかで親しみやすく感じるのではないでしょうか?

 1音1音をはっきり発音することはもちろん望ましいことです。そういう話し方をすると、話し手の積極性、熱意、自信、信頼感、プロフェッショナリズムなどのポジティブな印象を聞き手に与えるという側面があります。

 しかし、はっきり発音するためにはいくつかの音は強く発音する必要があります。それが結局、強い語気となり、対人不安を抱えるような人々にとっては、グイグイと強く迫ってくるような口調に聞こえたりするわけです。

重要なのは「非言語情報」
敬語で会話の距離感を調節する方法

 さらに、敬語で語気を弱めながらWEコード(編集部注/自分の心のなわばりの内側の人たちに使うことば)に近い効果を得られる話し方も効果的です。これは話の当事者を「あなた」ではなく、「WE(私たち)」にする方法で「Let’s~(~しましょう)」がその好例です。

「このプロジェクトを絶対に成功させてください」よりも「一緒にこのプロジェクトを絶対に成功させましょう」と言った方が語気が弱くなる上に、相手と自分を同じなわばりに引き込んだ「ウチのことば」で相手も受け入れやすくなります。

 そして、話す速度も重要です。早口でガーッとまくしたてるような話し方をする人は、タメ口でも敬語でもその勢いのせいで相手に不安を与えがちです。