Pixel 9a

 Googleから、スマートフォン「Pixel」シリーズの最新モデル「Pixel 9a」が登場。国内ではすでに予約を開始しており、4月16日に発売される予定。今回は、発売に先立ち、いち早く実機を試用する機会を得たので、ハード面を中心に紹介する。直販価格は、128GBモデルが7万9,900円、256GBモデルが9万4,900円。

AI時代のハイコスパスマホGoogle Pixel 9aを動画でも解説

Pixel 9シリーズに近いデザインだが、カメラバーを廃止

 Pixel 9aは、これまでのPixel aシリーズ同様に、2024年登場の「Pixel 9」シリーズをベースとしながら、一部機能を抑えて低価格化を実現したコストパフォーマンスモデルだ。日本向けモデルの主な仕様は以下にまとめた通り。

 国内でのPixel aシリーズは内蔵ストレージ容量が128GBモデルのみ販売されてきたが、Pixel 9aでは128GBモデルだけでなく256GBモデルも用意される。なお、今回の試用機は128GBモデルだった。

【表1】Pixel 9aの主な仕様
Pixel 9a
SoC Google Tensor G4
メモリ/内蔵ストレージ 8GB/128GBまたは256GB
セキュリティチップ Titan M2
OS Android 15
OSの更新 OSアップデート:7年
セキュリティアップデート:7年
ディスプレイ 6.3型有機EL「Actuaディスプレイ」
1,080×2,424ドット、アスペクト比20:9、コントラスト比100万:1、HDR、リフレッシュレート60~120Hz、輝度最大2,700cd/平方m(HDR時最大1,800cd/平方m)
背面カメラ 超広角:F値2.2、画角120度、1,300万画素1/3.1型センサー
広角:F値1.7、画角82度、4,800万画素 1/2型Quad PDセンサー、光学式手ブレ補正
前面カメラ F値2.2、画角96.1度、固定フォーカス、1,300万画素センサー
モバイル通信 5G Sub-6:n1/2/3/5/7/8/12/20/26/28/38/40/41/66/75/77/78/79
4G:B1/2/3/4/5/7/8/12/14/17/18/19/20/21/26/28/32/38/39/40/41/42/66/75
3G:1/2/4/5/6/8/19
GSM:850/900/1,800/1,900MHz
測位システム GPS、GLONASS、Galileo、Beidou、QZSS、NavIC
対応SIM Nano SIM+eSIM
無線LAN Wi-Fi 6E
Bluetooth Bluetooth 5.3
センサー 近接、環境光、加速度、ジャイロ、磁力計、気圧計
おサイフケータイ 対応
防水・防塵 IP68
生体認証性能 ディスプレイ埋め込み型指紋認証センサー、顔認証
セキュリティ Google VPN
外部ポート USB 3.2 Gen 2 Type-C
バッテリ容量 標準5,100mAh
ワイヤレス充電 対応(Qi準拠)
サイズ/重量 73.3×154.7×8.9mm/185.9g
カラー Peony、Iris、Obsidian、Procelain

 Pixel 9aのデザインは、これまでのPixel aシリーズ同様に、基本的にはPixel 9シリーズのデザインを踏襲している。

 Pixel 8aでは側面フレームや背面の側面付近がなだらかにカーブしていたのに対し、Pixel 9aではPixel 9シリーズと同じように、側面フレームが直線的に切り落とされ、背面も完全にフラットなデザインを採用している。この直線的なデザインを採用したこともあって、Pixel 8aと持ち比べてみると、Pixel 9aのほうが手にゴツゴツとした印象が伝わってくる。

 それに対し、4角はなだらかにカーブしており、このあたりもPixel 9シリーズ同様。ただPixel 8aも角は比較的なだらかにカーブしていたので、その部分は大きく変わった印象はない。

 側面フレームは、100%リサイクルアルミニウムを採用し、ディスプレイ面には米Corning製強化ガラスのGorilla Glass 3、背面は樹脂製と、この構成はPixel 8aと同じだ。

 ただし、Pixel 9aではこれまでのPixelシリーズから大きく変わっている部分がある。それが背面カメラのデザインだ。従来までの側面まで伸びるPixelカメラバーがなくなり、突起がわずかな楕円形のカメラモジュールとなった。

 このカメラデザインは、Pixel Watchシリーズと同じように水滴から着想を得たとのこと。確かに、水滴が表面張力でわずかに盛り上がっているような印象のデザインだ。

 背面カメラの突起は0.5mmに満たないわずかなもので、背面はほぼフラットとなった。背面を下にしてテーブルに置くと、わずかにガタつくのは事実だが、ほぼ無視できるレベルだ。

 この背面カメラのデザイン変更により、見た目の印象は大きく変わった。Pixelカメラバーは、ひと目でPixelシリーズと分かるほどの存在感を放っていたこともあり、この変更は賛否両論だろう。個人的には、Pixelらしさが失われ、全体的にのっぺりとした印象を受けたが、ポケットから取り出す場合でも突起が引っかかることがなくなり、扱いやすさは向上しそうだ。

Pixel 8a(右)との背面の比較。Pixel 9aではカメラデザインが大きく変更された

こちらはPixel 9(右)との背面比較。カメラバーがなくなったことでのっぺりとした印象となっている

背面カメラは水滴から着想を得たデザインとのこと。カメラ部は背面と完全にフラットではなく、わずかに突起している

 本体カラーは、黒系のObsidianと白系のProcelainに加えて、赤系のPeony、青系のIrisの4色を用意。背面、側面ともに光沢感を抑えたマット調の仕上げとなっている。背面は樹脂製ながら、なかなか上質に仕上げられており、安っぽいという印象はない。

 ところで、Pixel 8aは背面がかなりすべすべしており、かなり滑りやすいという印象だったのに対し、今回試用したPixel 9aのProcelainについては、背面がわずかにしっとりとした肌触りとなっている。ほかのカラーだと質感が異なる可能性もあるが、側面が直線的となったことと合わせて、滑りやすさはやや減少したと感じる。

本体サイズは大型化も重量は軽くなった

 本体サイズは73.3×154.7×8.9mm。Pixel 8aと比べると、厚さは同じだが、幅が0.6mm、奥行きが2.6mm大きくなっている。Pixel 9との比較でも、幅が1.3mm、奥行きが1.9mm大きい。実際にそれぞれと並べてみても、Pixel 9aが最も大きいことが分かる。

 この本体サイズの大型化は、ディスプレイが従来の6.1型から6.3型に大画面化した影響が大きい。ちなみに、Pixel 9もディスプレイサイズがPixel 9aと同じ6.3型だが、ディスプレイ周囲のベゼル幅がPixel 9aのほうが広く、それも本体大型化の要因となっている。このあたりは廉価版ならではの仕様とも言えるが、結果的に大きくなった点は少々残念な気がする。

 一方で重量は185.9gと、Pixel 8aより2.1g軽くなっている。わずかの差のため、持ち比べても違いはほとんど感じられないが、本体が大型化しつつも軽くなっている点は歓迎だ。もちろん、198gのPixel 9と比べるとかなり軽い印象。なお、試用機の実測の重量は183.3g(SIM未装着)と公称よりもさらに軽かった。

Pixel 8a(左)、Pixel 9(右)とのサイズ比較。Pixel 9a(中央)が最も大きい

こちらはディスプレイ面の比較。同じく左からPixel 8a、Pixel 9a、Pixel 9。Pixel 9aの大型化は、ディスプレイが8.3型に大型化された影響が大きい

Pixel 9a(左)とPixel 9(右)はディスプレイサイズが同じだが、ベゼル幅がPixel 9のほうが狭く、これも本体サイズの違いに現れている

Pixel 9a試用機の実測の重量は、SIM非装着の状態で183.3gだった

SoCにGoogle Tensor G4を採用

 Pixel 9aでは、SoCにPixel 9シリーズと同じ「Google Tensor G4」を採用。しかも、内蔵する各種演算コアの数や動作クロックもPixel 9シリーズ搭載のものと同等だという。

 搭載メモリ容量は8GBと従来同様。内蔵ストレージ容量は、128GBに加えて256GBも用意される。Pixel 8aでは内蔵ストレージが128GBのモデルしか国内で発売されなかったが、256GBモデルも選べるようになったのは嬉しい。

 セキュリティチップに「Titan M2」を搭載。生体認証機能も、前面カメラを利用した顔認証と、ディスプレイ埋め込み型指紋認証に対応と従来同様だ。なお指紋認証のセンサーは、Pixel 9シリーズの超音波式センサーではなく、従来同様の光学式センサーを採用している。

 モバイル通信は5G Sub-6に対応し、国内主要キャリアの5G Sub-6バンドにも対応している。無線機能は、Wi-Fi 6E準拠の無線LANと、Bluetooth 5.3を搭載。従来同様、NFC/FeliCaを搭載し、おサイフケータイにも対応する。

 防水防塵性能はIP68準拠と、Pixel 9シリーズ同等に強化された。従来のIP67に比べて防水性能が高められており、より安心して利用可能となった点は嬉しい。

 OSはAndroid 15で、OSアップデート、セキュリティアップデートともに7年。

 物理ボタンは、右側面に電源ボタンとボリュームボタンを配置。下部側面にはUSB 3.2 Gen 2 Type-CとNano SIMカードトレイを配置。SIMは、Nano SIMとeSIMに対応。

左側面、上から電源ボタン、ボリュームボタンを配置

下部側面には、USB 3.2 Gen 2 Type-CとNano SIMカードトレイを配置

SIMカードトレイはNano SIMに対応

 内蔵バッテリ容量は5,100mAhと、従来から増量。駆動時間も公称で30時間以上、スーパーバッテリーセーバー利用時で最長100時間と大きく延びている。

 充電は、有線充電には最大23Wの急速充電が可能。また、Qi準拠のワイヤレス充電にも対応するが、その場合には最大7.5Wでの充電となる。

 製品の付属品は、インストラクションカード、USB 2.0 Type-Cケーブル、SIMピンで、従来付属していたUSB変換アダプタは省かれている。

 オプションとして、専用のケース「Pixel 9aケース」も用意。こちらは本体のカラーと同じ4色をラインナップ。Pixel 9aケースの直販価格は4,900円。

フルHD+表示対応の6.3型有機EL「Actuaディスプレイ」を採用

 ディスプレイは、1,080×2,424ドット表示対応の6.3型有機EL「Actuaディスプレイ」を採用。アスペクト比20:9、コントラスト比100万:1、HDR表示対応、輝度はHDR表示時最大1,800cd/平方m、ピーク時最大2,700cd/平方m、リフレッシュレートは60~120Hzの可変リフレッシュレートに対応。このスペックは、コントラスト比以外はPixel 9のディスプレイと同等だ。

 Pixel 8aのディスプレイと比較すると、輝度が大きく高まるとともに、リフレッシュレートの仕様も進化している。輝度はピーク時最大2,700cd/平方mと、Pixel aシリーズとして最も明るくなった。リフレッシュレートは最大120Hzと同じだが、Pixel 8aでは60Hzと120Hzの自動切り替えだったのに対し、Pixel 9aでは60~120Hzの間で動的に変化するスムーズディスプレイとなった。このあたりが大きな進化点と言える。

 ディスプレイ自体は側面までフラットで、上部中央には前面カメラ用のパンチホールが開けられている。こういった仕様も従来同様だ。

 有機ELらしい非常に鮮やか、かつメリハリのある映像を表示でき、この点も全く不満がない。

1,080×2,424ドット表示対応の6.3型有機EL「Actuaディスプレイ」を採用。仕様はコントラスト比を除きPixel 9のディスプレイと同等

ディスプレイ上部中央には、前面カメラ用のパンチホールがある

60~120Hzの間で動的にリフレッシュレートを変更するスムーズディスプレイに対応

有機ELらしく優れた発色性能を誇っており、表示品質には全く不満がない

背面カメラは広角カメラの仕様が大きく変更

 Pixel 8aの背面カメラは、その前モデルのPixel 7aとハードウェアとしてはほぼ同じだった。それに対しPixel 9aではPixel 8aからハードウェア仕様が変更されている。以下の表にPixel 9aとPixel 8aのカメラの仕様をまとめたが、赤字の部分が変更点となる。

【表2】Pixel 9aとPixel 8aのカメラの仕様の違い
Pixel 9a Pixel 8a
背面カメラ 超広角レンズ レンズ画角 120度 120度
F値 F2.2 F2.2
センサー画素数 1,300万画素 1,300万画素
ピクセルピッチ 非公開(おそらく約1.12μm) 1.12μm
センサーサイズ 1/3.1型 非公開(おそらく1/3.1型)
広角レンズ レンズ画角 82度 80度
F値 F1.7 F1.89
デジタルズーム倍率 最大8倍 最大8倍
光学式手ブレ補正 対応 対応
センサー Quad PDセンサー Quad PDセンサー
センサーサイズ 1/2型 1/1.73型
センサー画素数 4,800万画素 6,400万画素
ピクセルピッチ 非公開(おそらく約0.8μm) 0.8μm
前面カメラ レンズ画角 96.1度 96.5度
F値 F2.2 F2.2
センサー画素数 1,300万画素 1,300万画素
ピクセルピッチ 非公開 1.12μm
フォーカス パンフォーカス パンフォーカス

 まず、背面カメラが広角カメラと超広角カメラの2眼仕様であるという点は変わらない。また、超広角カメラは画角120度、F値2.0のレンズに1/3.1型1,300万画素センサーの組み合わせと従来同様だ。それに対し、広角カメラはレンズと撮像素子の仕様がともに変更されている。

従来からデザインが大きく変更されたPixel 9aの背面カメラ。左が広角、右が超広角の2眼構成で、超広角カメラは従来と同じ仕様だが、広角カメラはハード面も変更している

 レンズは、画角が従来の80度から82度とわずかに広くなるとともに、F値がF1.89からF1.7へと明るくなった。

 一方で、撮像素子はセンサーサイズが従来の1/1.73型Quad PDセンサーから1/2型Quad PDセンサーへと小さくなっている。ただ、センサーサイズの小型化に合わせ、画素数が6,400万画素から4,800万画素へと減少した。そのため、画素ピッチは、非公開ながら計算すると約0.8μmと、従来とほぼ同等だ。

 そして、静止画は標準でピクセルビニングにより1,200万画素相当で出力され、Pixel 9 Proのようなフル画素撮影ができるプロモードも用意されない。レンズが明るくなったことと合わせて、写真画質は大きく変わらないと考えられるが、このあたりは後ほど実際に撮影した写真で検証する。

 そして、この撮像素子の小型化が、ほぼ突起のない背面カメラの実現につながっていると考えられる。なお、広角レンズに光学式手ブレ補正機能を備える点や、最大8倍のデジタルズームが可能な点は従来同様だ。

 前面カメラは画角がわずかに狭くなっているが、ほぼ同等と考えていいだろう。

 動画撮影機能は従来から大きく変わっておらず、背面カメラでは1080pまたは4Kで最大60fps、前面カメラでは1080pで最大60fps、4Kでは30fpsの動画を撮影できる。記録形式はH.264およびH.265。

前面カメラは、画角がわずかに狭くなったが、仕様はほぼ変更なしと考えていい

 撮影機能については、一部強化されている。

 その1つがマクロフォーカスの対応で、広角カメラを利用したマクロ撮影が可能となっている。Pixel 8aでは被写体に近付いて大きく撮影するのが難しかったが、Pixel 9aでは被写体に近付くと自動的にマクロフォーカスに切り替わり、被写体を大きく撮影できる。実際に試してみても、桜の花1輪をほぼ画面いっぱいにまで大きく撮影できた。実測で被写体に50mm前後まで近付いて撮影できるようになったことで、撮影の幅が広がったと感じる。

 もう1つが、撮影者を合成して自然な集合写真が撮影できる「一緒に写る」のサポート。家族や友人と出かけた時の集合写真撮影に便利に活用できそうだ。

Pixel 8aでは被写体に最大限近付いてもこの程度

Pixel 9aではマクロフォーカスによって桜の花1輪もここまで大写しできる

Pixel 9aでは広角カメラでのマクロフォーカスに対応。被写体に近付くと自動的にマクロフォーカスへと切り替わり、左上に花アイコンが表示される

Pixel 9aでは、Pixel 9で搭載された「一緒に写る」も利用できる

 では、実際に撮影した写真を紹介していこう。まずは、背面カメラで撮影した、超広角、広角、2倍ズーム、8倍ズームの写真を紹介する。同時に、Pixel 8aとPixel 9で同様に撮影した写真も掲載する。

 Pixel 9aとPixel 8aでは、2倍ズームまでは画質に大きな差は見られない。しかし、8倍ズームではPixel 9aのほうがより細部がぼやけている。拡大しなければ分からない程度ではあるが、ズーム撮影時の品質はやや低下したと感じる。

 Pixel 9は、より大型の撮像素子を搭載していることもあり、圧倒的に高画質に撮影できている。このあたりは、価格差なども考慮すると納得だ。

 8倍ズーム時の画質が低下しているのは、センサーサイズの小型化と低画素化による影響もありそうだ。大きく拡大しなければ分からない程度とはいえ、この点は残念に感じる。それでも、以下に掲載する作例を見ると分かるように、夜景も含めて通常の撮影では申し分ない品質で撮影できている。そのため、これまでとほぼ同様の、十分な画質の写真を撮影できると考えていいだろう。

AI関連機能はPixel 9譲りも、一部省かれている

 Pixelシリーズの特徴の1つが、充実したAI関連機能が利用できるという点だ。Pixel 9aでは、SoCにPixel 9シリーズと同じGoogle Tensor G4を採用することもあり、「Gemini」をはじめとしてPixel 9シリーズ同等のAI機能を利用できる、としている。

 たとえば、AIアシスタントのGeminiはPixel 9aでも利用できる。文章の作成や要約、画像生成、他のGoogleアプリと連携した作業などは、Geminiが利用できる従来のPixelシリーズ同様だ。対話形式の「Gemini Live」も利用可能で、動画や表示画面を共有しながら対話することも可能だ。

 画像生成アプリ「Pixel Studio」も搭載しており、日本語で画像のイメージを入力すると、それに沿った画像を生成できる。

AIアシスタントのGeminiやGemini Liveは、もちろん利用可能

Gemini Liveでは、カメラの映像や画面を共有しながら対話できる

画像生成アプリのPixel Studioも搭載しており、日本語のプロンプトから画像を生成できる

 カメラ関連のAI機能としては、先にも紹介した「一緒に写る」を新たに搭載。また、AI編集機能「編集マジック」では、不要な写り込みを削除する「消しゴムマジック」や、ボケを修正する「ボケ補正」、集合写真で全員がベストの表情になるよう修正する「ベストテイク」などに加えて、Pixel 9で搭載された写真の画角を変更する「オートフレーム」にも対応。動画から不要な音を削除する「音声消しゴムマジック」も引き続き利用可能だ。

編集マジックでは、Pixel 9から追加された「オートフレーム」も利用できる

 ただし、細かく見ると、Pixel 9aでは利用できないものも一部見られる。その1つが録音アプリで、Pixel 9シリーズでは日本語の文字起こしに加えて要約機能も利用可能となったが、Pixel 9aでは日本語の要約機能は利用できない。スクリーンショットの内容をAIが判断して検索できる「Pixel Screenshots」についても利用できないようだ。

 このあたりは、今後機能が追加される可能性もあるが、搭載メモリ容量が8GBと少ないことが影響していると考えられる。また、上位モデルと同等のAI機能が利用できると優位性が失われるため、あえて機能を抑えているのかもしれない。

 それでも、主要なAI機能の多くが利用できるため、一部機能が省かれているとはいっても、そこまで大きな問題とはならないだろう。

録音アプリは、英語での要約はできたが、日本語の要約はできなかった

パフォーマンスはPixel 9に匹敵

 では、簡単にベンチマークテストの結果を紹介しよう。利用したベンチマークアプリは、UL LLCの「PCMark for Android Benchmark」と「3DMark – The Gamer’s Benchmark」の2種類。比較として、Pixel 8a、Pixel 9の結果も掲載する。

 結果は以下の通りで、いずれのテストでもPixel 8aの結果を上回り、Pixel 9とほぼ同等のスコアが得られた。

 もちろん、これはあくまでもベンチマークアプリの結果であり、この結果をもってPixel 9aがPixel 9と同等のパフォーマンスを発揮すると言うつもりはない。それでも、少なくともPixel 8aよりパフォーマンスが向上していることは間違いなさそうで、性能面でも正統に進化していると考えていいだろう。

PCMark for Android Benchmark「Work 3.0 performance」の結果

3DMark – The Gamer’s Benchmark「WILD LIFE EXTREME」の結果

3DMark – The Gamer’s Benchmark「STEEL NOMAD LIGHT」の結果

価格は上がったが、まだまだコストパフォーマンスは申し分ない

 ここまで見てきたように、Pixel 9aは、Pixel 9と同じSoCを搭載することによる性能や機能の向上を果たしている。背面カメラについては、画質面で少々気になる部分があるのも事実だが、AIを活用した撮影機能や編集機能が、その点を十分に補っている。そのため、従来のPixel aシリーズ同様の魅力は十分に備えている。

 価格は、昨今の円安や物価高騰の影響もあって、Pixel 8aからさらに上がっているが、それでも128GBモデルは7万円台をギリギリで維持。もちろん、もう少し安いほうが嬉しいが、今の情勢を考えるとコストパフォーマンスもまずまず納得できる。

 個人的には、Pixelシリーズのアイデンティティでもある背面のカメラバーを省くとともに、Pixel 9シリーズから採用されている競合製品に寄せた本体デザインは、Pixelシリーズの個性が失われているという印象もあり、少々残念に感じている。それでも、全体的な完成度は、これまでのPixel aシリーズ同様に優れている。上位モデルに匹敵する性能や機能を備えたコストパフォーマンスに優れるスマートフォンとして、注目の存在と言えるだろう。



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