
2025年4月2日(水)よりテレビ朝日系全国ネット“IMAnimation W(イマニメーション・ダブル)”枠にて放送中のTVアニメ『ユア・フォルマ』。
このたび、ビガ役・東山奈央さんの公式インタビューが到着しました。
――まずは、東山さんが感じる『ユア・フォルマ』という作品の魅力を教えてください。
東山:AIが身近になってきた今の時代を生きる私たちに「機械と人間がどうやって共存していくか」を考えさせてくれる、重厚でリアリティのある世界観がやはり一番の魅力だと思っています。ただ、そう言うと難しい作品だと思われてしまいそうですが、『ユア・フォルマ』の魅力はそれだけではなくて。ミステリー要素やエチカとハロルドのチャーミングな関係性など、いろいろな要素が折り重なっているところもこの作品の面白さですね。さらにアニメでは、そこに先輩方のお芝居も加わっています。淡々とした口調の中に複雑な感情がにじみ出るエチカ役の花澤香菜さんと、情感たっぷりに話すけれど、不思議とそこに温度感を感じさせないハロルド役の小野賢章さんのお芝居によって、作品世界により奥行きが生まれているのだ思います。
――台本を読まれた感想はいかがでしたか?
東山:すごく難しかったのですが、その分やりがいのある作品だと思いました。私自身ミステリーが好きなので謎解きの部分には衝撃を受ける瞬間もありましたし、キャラクターたちの表情やセリフの関係値も面白くて。「このセリフはたぶん本音じゃないだろうな」「それでも振り絞って言っているんだな」と思わせるようなところまで繊細に描かれていて、リアリティが迫ってくるような印象がありました。
――演じるビガに対してはどんな印象を持ちましたか?
東山:『ユア・フォルマ』は電子犯罪捜査局に所属する頭のいい大人たちを主軸として物語が進んでいくので、一つひとつの会話も言葉の裏側にいろいろな事情や思惑が含まれていることが多いのですが、ビガに関してはそれが本当に少ないんです。「エチカやハロルドの役に立ちたい」と「ハロルド大好き」が行動の中心にある子なので、そこがとてもかわいいなと思いますね。あと、ビガはハロルドのことが大好きですが、ハロルドに対するエチカの気持ちも感じ取って、エチカの背中を押そうとしていて。そういうまっすぐさも私は大好きなんです。本当に心根の優しい子だなと思いますね。皆さんにとっても、ホッとする存在になればいいなと思っていました。
――そんなビガを演じる上で意識したことを教えてください。
東山:第1話のアフレコのときに尾崎隆晴監督がメインキャラクターを演じる役者一人ひとりに「このキャラクターはこういうところがあるので、こういうことを意識して演じてほしいです」と言葉をかけてくださったのですが、ビガに関しては「東山さんそのままでいいです」って。そんなことを言われたのは初めてだったのでビックリしました(笑)。でも、尾崎監督はきっと私が素直に彼女のことを想って演じたらビガらしくなると思って選んでくださったんだなと思ったので、私もストレートに彼女に寄り添って演じることを意識しました。
――第6話は、ビガと彼女の父・ダネルの関係性について描かれたエピソードでしたね。このエピソードを演じられた感想はいかがでしたか?
東山:アフレコは(ダネル役の)稲田徹さんと一緒だったのですが、稲田さんのお芝居からはものすごい迫力と、その奥にある包容力がひしひしと感じられました。親子同士嫌い合っているわけではないのに、考え方の違いで大きな溝ができてしまうことが悲しかったです。ビガが「人の役に立ちたい」という思うようになったのは両親からたくさんの愛情を受けてきたからだと思うんですよ。そう考えると、二人の今の関係性をより悲しく感じました……。
エチカから「もし、民間協力者をやめたいなら、その時は言って欲しい」と言われたとき、ビガは自分が何をやめたいのかをはっきりとは言わないんですよね。それはきっと、一言では言えなかったんだろうなと思います。お母さんが伝統を重視して死を選んだことや、お父さんがEの考えを信奉していること、そして自分が親の目を盗んで民間協力者に従事していること……そういったいろいろなことが重なり合った“この状況”をやめたいのかなって。彼女が歩んできた半生に思いを馳せながら、どんなに隔絶された世の中にいても自分とは違う考えの人に対して互いに耳を傾けられる社会になっていくといいな……と考えてしまいました。それは、『ユア・フォルマ』の世界の中だけじゃなく、私たちの世界でも。
――アフレコ現場の思い出も教えてください。
東山:これは皆さんも言っていると思うのですが、「ハロルド」が本当に言いづらくて大変でした(笑)。アフレコ中に噛むと普通はピリッと緊張感が走るものなのですが、「ハロルド」を噛んだときには音響監督の矢野さとしさんも温かく「もう一回やろうか」って言ってくださって。作品自体は緊迫感ある内容ですが、アフレコはとても和やかで、毎週現場に行くのが楽しみでした。
――ちなみに、もし東山さんがエチカのように誰か機憶にダイブできるとしたら、誰のどんな記憶を覗いてみたいですか。
東山:家族の記憶を遡ってみたいですね。祖母が子どもの頃にどんな景色を見て育ったのかとか、父と母の馴れ初めはどんな感じだったのかを見てみたいなと思います。
――ありがとうございました。最後に、今後の展開を楽しみにしている皆さんに向けてメッセージを!
東山:『ユア・フォルマ』はお話が進めば進むほど、そして深く考えれば考えるほど面白くなっていく作品です。それは原作が素晴らしいのはもちろんのこと、その魅力をアニメーションに落とし込む際にスタッフの皆さんがすごい熱量で練り上げられたからだと私は思っていて、その濃密な情報量を受け取っていただけたら、この作品はきっと皆さんの心にずっと残り続けるものになるでしょう。ぜひ最終話まで一緒に思い悩みながら観ていただけたらうれしいです!
ちなみに、私の好きなセリフが第7話にありまして。それは、なぜ機械が人間に、そして人間が機械に関心を示すのかという問いへのエチカの答えなのですが、私はその言葉を聞いたときにエチカにすごく共感したし、彼女の考えを肯定したいなって思ったんですよね。皆さんはそれをどう感じるのか、一緒に考えてくださったらこの作品として意義があるのではないかなと思います。
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