金曜日, 5月 9, 2025
No menu items!
ホームニューステックニュース「AIカンニング」の蔓延が教育を驚くほどの速さで破壊している - GIGAZINE

「AIカンニング」の蔓延が教育を驚くほどの速さで破壊している – GIGAZINE



「AIカンニング」の蔓延が教育を驚くほどの速さで破壊している - GIGAZINE


AIと教育の在り方をめぐっては、学業をAIに丸投げするカンニングは許さないという姿勢が貫かれている一方で、AIを使った不正を正確に看破することが困難なことが研究で判明するなど、技術の進歩に学校側の対応が追いついていないことが指摘されています。海外メディアのIntelligencerが、実際にAIを駆使して不正行為を行った若者や、そうした学生への対応に苦慮する教育者への取材を通じて、AIによって急速に崩壊しつつある高等教育の現状をまとめました。

Rampant AI Cheating Is Ruining Education Alarmingly Fast
https://nymag.com/intelligencer/article/openai-chatgpt-ai-cheating-education-college-students-school.html

Intelligencerの取材に応えた1人目の若者は、元コロンビア大学生のチュンギン・リー氏です。韓国で生まれ、両親が大学進学コンサルティング会社を経営するアトランタ郊外で育ったリー氏は、高校に在学中にハーバード大学に受かりましたが、卒業前の校外学習をこっそりさぼったのが発覚して停学処分を受けたため、大学の合格も取り消されました。

浪人しつつ26の大学を受験したものの、どこにも合格できなかったリー氏は、次の1年間をコミュニティカレッジで過ごし、その後コンピュータサイエンス専攻の2年生としてコロンビア大学に編入しました。

しかし、プログラミング入門クラスでのリー氏はAIに頼りっぱなしで、課題はChatGPTが出力したものをほとんどそのまま提出していたとのこと。また、小論文の課題も80%はAIが書いたもので、リー氏が手を加えたのは最後の仕上げの20%だけだったとのことです。

Intelligencerが「なぜせっかく入学した大学での勉強をAI任せにしたのですか」と質問すると、リー氏は「大学はスタートアップの共同創設者と、将来の社長夫人と出会うのにうってつけの場所だからです」と答えました。

なお、リー氏は実際に共同設立者を得てAIスタートアップを立ち上げています。その経緯は、以下の記事を読むとよくわかります。

就活でAIを使って退学になった元大学生がAIチートツール企業「Cluely」を起業し7億4000万円の資金を調達 – GIGAZINE


2人目は、カナダにあるウィルフリッド・ローリエ大学の1年生のサラさんです。なお、前述のリー氏は実名ですが、この記事で名前が挙げられている現役学生はサラさんを含め全員が偽名で取材を受けています。

サラさんが初めてChatGPTに手を出したのは高校最後の年の春で、生成AIに慣れてからはすべての授業でChatGPTを使うようになったとのこと。そのおかげで成績が優秀になったサラさんは「AIで私の人生は変わりました」と話しています。

サラさんは大学に入ってからもChatGPTを使い続けており、ChatGPTを使うと普通なら12時間はかかる小論文が2時間で書けると言います。また、授業中に他の学生がノートPCを開いてChatGPTを使っているのを見ない日はほとんどないとも主張しました。

そのような姿勢で教育を受けることを快く思っていない学生もいます。地元の名門大学で金融学を専攻しているというウェンディさんは、AIの使用に反対しており、「コピー&ペーストにも反対ですし、カンニングや盗用にも反対です」と話しました。

しかし、そんなウェンディさんですら、AIを活用して大学の課題をこなしているとのこと。文章の構成を考えるのが苦手だというウェンディさんは、まずAIに「私は大学1年生で英語の授業を受けています」と入力してから、授業についての背景情報を与え、教授の指示をプロンプトにします。そして、AIに「プロンプトに従って小論文を書けるように、概要を作ってください」と依頼すると、小論文の概要や導入部分、構成などが出力されるので、それを元に小論文を書いていくのだそうです。


このように、学生の間で急速にAIが普及しつつあるため、教師たちは課題を手書きの筆記試験に戻したり、口頭試験に切り替えたり、AIの使用を前提としたものにしたりして、対応を模索しています。

アメリカ・サンタクララ大学の技術倫理学者であるブライアン・パトリック・グリーン氏は、初めてChatGPTを触ってから、すぐに小論文の課題を出すのをやめました。そして、「これならさすがに誰もChatGPTを使わないだろう」と読書感想文の課題を出しましたが、すぐに学生の1人がロボットのような言葉遣いとぎこちない言い回しの読書感想文を提出してきたとのこと。また、アーカンソー大学リトルロック校の哲学教授だという別の教師は、「簡単な自己紹介をして、授業で何を学びたいかを述べてください」という質問にさえAIを使う学生がいるのを見つけたと話しています。

同様の不正は、OpenAIが2022年11月にChatGPTをリリースする前からある種のピークを迎えつつありました。新型コロナウイルス感染症のパンデミックが猛威を振るっていた当時、多くの大学生は遠隔教育で高校を卒業しており、監視の目が届かなかったため、CheggやCourse Heroなどの有料のカンニングサービスを利用する学生も少なくなかったとのこと。そうした不正ツールは、インドなどにいる専門家が24時間365日対応し、課題に最短30分で答えることを謳い文句にしていましたが、ChatGPTがリリースされると、より高速で高機能なツールを求める学生たちはすぐに飛びつきました。

こうして一気に広まった生成AIに教育機関は手を焼いており、ほとんどの大学は場当たり的なアプローチを採用したり、学生にAIを使わせるべきかどうかの判断を教授たちに委ねたりするほかありませんでした。

教育者の中には、課題文の行間に小さく白い文字で課題とは無関係な指示を紛れ込ませる「トロイの木馬」作戦など、機転を利かせてAIを使ったカンニングに対抗している人もいます。

カリフォルニア州立大学チコ校で哲学を教えているトロイ・ジョリモア教授は、「こうした工夫がうまくいくこともあります。例えば、アリストテレスとは関係ない課題に『アリストレスならどう答えるか?』と書いたことがあります。もっと突拍子もないことを書いて、学生が気づかなかったこともありました。つまり、彼らは自分で小論文を書いていないどころか、自分が提出する小論文に目を通してすらいないということです」と話しました。

同様のAI対策が日本の教育機関でも行われていることが、X(旧Twitter)で話題になったことがあります。


また、Turnitinを始めとする高精度なAI検出ツールも登場していますが、学生らもあえてスペルミスをしたり、文章の一部を自分で手直ししたり、AIに「ちょっと間抜けな大学1年生として書いてください」と指示したりして対抗しており、AIの使用を見抜こうとしている教育者と、その目を盗んでAIを使う学生の攻防はいたちごっこの様相を呈しています。

シカゴ大学で数学を学んでいるマークさんは、コーディングの課題でAIを使ったことを友だちに打ち明けたところ、友だちから「もし君が大工で、電動工具を使って家を建てたとしても、結局のところ君抜きでは家が完成しなかったはずだ」と言われたとのこと。

マークさんはIntelligencerの取材に対して、「それでも、判断するのは本当に難しいです。AIを使って書いたのを僕の仕事と言っていいのでしょうか」と話しました。

この記事のタイトルとURLをコピーする

フラッグシティパートナーズ海外不動産投資セミナー 【DMM FX】入金

Source link

Views: 0

RELATED ARTICLES

返事を書く

あなたのコメントを入力してください。
ここにあなたの名前を入力してください

- Advertisment -

Most Popular

Recent Comments