水曜日, 5月 14, 2025
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「もう気合でやるしかなくなった」…MEGUMIがカンヌで「日本文化を世界に発信するイベント」を主催するワケ


俳優、 タレントなど表舞台の演者だけでなく、プロデューサー、美容関連書籍の執筆など、芸能界でマルチに活躍するMEGUMI。世の中に存在感を示すその成功の背景には、クリエイティブワークも美容も「ビジネスの視点」で捉える独自のスタイルがある。

そんな彼女が芸能活動と同時に注力しているのが、日本のエンターテインメントや文化を世界に発信し、関係者のネットワークを広げる活動。自ら発起人となった国際交流イベント「JAPAN NIGHT」は、昨年「第77回カンヌ国際映画祭」の会期中に開催した第1回を大盛況に終え、今年の第2回には国内外関係者から熱い期待と注目が集まっている。

いくつもの顔を見せながら多方面で才能を見せる彼女の現在地は、いったいどこなのか――40代を迎えて訪れた仕事と私生活の変化と、芸能界で密かに抱く“野望”に迫った。

撮影:阿部裕介

コロナ禍に、芸能界でできることを考えた

――芸能界の表舞台で華やかに活躍される一方、裏方として作品製作も手がけています。もともとプロデュース業への憧れがあったのでしょうか。

きっかけはコロナ禍です。SNSやYouTubeで発信する人たちが増えるなど、世の中がこれまでとは大きく変わっていく中、「自分には何ができるのか」と強く考えました。そこで、やっぱり私はお芝居が好きだから、俳優をやりながら「こういう作品があったらいいな」とずっと考えていたことを形にして、世の中に伝えていこうと思ったんです。

最初に手がけたのは、Instagramで配信するショートドラマでした。そこから短編映画やCM制作へと活動の幅が広がり、現在は長編映画や配信型バラエティのプロデュースも行うようになりました。こうした取り組みの延長線上に、昨年「第77回カンヌ国際映画祭」の会期中に開催した国際交流イベント「JAPAN NIGHT」が誕生しました。

――MEGUMIさんがファウンダーとなった「JAPAN NIGHT」は、⽇本映画および⽇本⽂化を世界に発信し、エンターテインメント産業におけるグローバルな⽂化交流を促進するイベントです。昨年の第1回の手応えはいかがでしたか?

2022年にカンヌ国際映画祭を訪れた際、世界の映画関係者が日本映画や日本文化に寄せる関心の高さを肌で実感したことが、「JAPAN NIGHT」立ち上げの原点となりました。日本ならではの美意識や価値観といった独自のアイデンティティを伝える発信の場を設けることで、日本映画の魅力がより広く世界に伝わり、日本映画界のチャンスにつながる新たな可能性が生まれると考えました。

それが実現した昨年の第1回は、300人ほどの来場者を想定していたところ、1000人以上の方にお越しいただきました。その8割が外国人の方で、みなさん日本に興味津々。実際に中東のプロデューサーや監督から出資や合作の話があったり、イタリアの映画祭関係者から「JAPAN NIGHT」の誘致を受けたりしました。国境を越えて、たくさんの出会いがあり、新しい仕事のつながりが生まれています。

o07w68j6d15qzib8dywc9vjj撮影:阿部裕介

もう気合いでやるしかなくなった

――昨年の盛況を経て、第2回となる今年は新たな課題も生まれていますか?

初開催だった前回は、初対面のヨーロッパの映画人や映画ディレクターの方々がほとんどだったので、2回目になる今年は、より深い関係性の構築を念頭に置いたコミュニケーションを心がけていきたいですね。

映画祭は、人と人との出会いから新たな価値が生まれる場です。日本からも俳優をはじめ、多くの関係者が来場されますが、何より、日本のエンターテインメントがヨーロッパで高く評価され、期待されていることを、ぜひ肌で感じていただきたいと思います。パーティーに加え、そうした実感を得られるプログラムや、日本映画の未来をともに考えるシンポジウムの開催も企画しています。

昨年の「JAPAN NIGHT」には、国内外の多くの方々から温かい反響をいただきました。「特に印象に残ったイベントだった」とのお声も寄せられ、文化発信の場として確かな手応えを感じました。一つひとつの出会いが未来へのきっかけとなり得ることを実感し、今後に向けての大きな励みになっています。

――実際にアクションを起こして、ゼロから「JAPAN NIGHT」を作り上げるのは、大変なエネルギーが必要だったと思います。その原動力になったのは、何だったのでしょうか。

もともと日本のエンターテインメントを世界に広げたいという、強い思いがありました。ただ最初はアイデアを出すだけのつもりでしたが、映画界の巨匠や影響力のある関係者の方々から、いろいろな後押しをいただき、もう気合いでやるしかなくなった(笑)。でも、やったことがないことに挑戦するのは大好きなんです。そこにはワクワクやドキドキがあって、とても楽しい。

ただ、正直なところ、当初は迷いや戸惑いもありました。芸能界でさまざまな活動をしている自分がこうした取り組みに踏み出すことには、いろいろな声があるかもしれないと思う部分もあったんです。それでも、日本文化を世界に届ける意義のある挑戦だという確信があったからこそ、思い切って一歩を踏み出すことができました。

こういう活動は継続してこそ意味があります。日本映画界や美しい日本の文化のための活動は、ライフワークとしてずっと続けていきたいですね。

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「JAPAN NIGHT」を世界中に広げたい

――今年は「カンヌ国際映画祭」に加えて、イタリアのウディネで行われる「ウディネ・ファーイースト映画祭」でも「JAPAN NIGHT」を開催されるそうですね。

昨年の第1回の場をきっかけに、映画業界をはじめとしたキーマンの皆様とのご縁が生まれました。これを継続しつつ拡大していけば、日本の映画産業も文化もより世界に広がっていくはず。この先、世界三大映画祭であるヴェネツィアやベルリンをはじめ、モロッコ、釜山などいろいろな国の映画祭で開催していきたいですね。

――MEGUMIさんの考える「JAPAN NIGHT」のゴールはどこですか?

今年はより本質を突き詰め、進化を確かな成果へとつなげることを目指しています。日本映画や文化の魅力をただ紹介するのではなく、未来に向けた新たな“仕掛け”が生まれる場として育てていくことで、「JAPAN NIGHT」を一過性の催しではなく、日本という国の文化的価値を継続的かつ加速的に発信する、“プラットフォーム”として発展させていきたいと考えています。

ビジネスのように美容も「仕組み化」

――マルチな芸能活動のなかで、美容関連の書籍も出版されています。ご多忙を極めるなか、仕事と美しさを両立する秘訣はありますか?

キレイになりたいという気持ちよりも、美容そのものを「ルーティン化」できたことが大きいですね。時には朝8時から美容クリニックに寄ったり、夜11時に鍼灸に行ったり、毎日の仕事のように美容に時間を費やしています(笑)。忙しいからって何もしないと、どんどん余計な疲労が溜まって、顔がくすんだり、肌の調子が悪くなったりして、メンタルまで落ち込んでしまうんですよね。

なので、時間の有無にかかわらず、ただひたすら淡々と美容をする。それを持続できるように、サプリを飲む時間まで決めた細かくスケジューリングするなど、生活の「仕組み作り」をしています。

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――まるでビジネスパーソンが仕事に向き合うようなアプローチですね。

私が特殊なのかもしれないです(笑)。でも、概念やロジックよりも、「このタイミングでこれをやればいい」というシンプルな発想を大事にしたほうが、自分が元気に、そしてハッピーになれると思うんです。

もともとせっかちでズボラな性格で、丁寧にしっかりやるタイプではないので、そういう意味では“男性的”かもしれない。でもそんな性格を逆手にとって、むしろ「忙しくてもこんなふうにできるよ」って書籍でご提案しました。多くの方が共感してくれたようで、幅広く受け入れていただいたことは嬉しかったです。

――いつ頃から、その美容ルーティーンを確立されていたんですか?

26歳くらいです。冬場はステロイドを塗らないとダメなくらい肌の状態が悪くなったときに、精神的にもすごくダメージを受けて、性格まで変わってしまったように感じて……。あれをもう二度と味わいたくない恐怖心があるから、美容への意識がそれまで以上に高まって、いまにつながっています。

どんなに疲れていても、鏡を見て顔にハリや艶があると、心も体も元気になれます。だから、何としても美容だけは継続しようと思っています。

仕事もプライベートも切り替えなし

――ご多忙な毎日を過ごされているかと思いますが、仕事とプライベートのオンオフはどうやって切り替えていますか?

そもそも切り替えるのって、それ自体がすごく大変じゃないですか。昔は「オフになったらしっかり気持ちを切り替えよう」と思っていた時期もありましたけど、いまは別にいいかなって(笑)。仕事もプライベートも関係なく、常にニュートラルでいるというか。友人と会うのも、撮影現場に行くのも、「誰かと会って何かをする」という大きな括りのなかで、同じものとして捉えています。

それは仕事でも同じです。俳優業も「JAPAN NIGHT」プロデュースも、たしかに自分の立ち位置やすべきことは違いますが、すべて地続きなんです。だから私の意識としては、プライベートの時間とそう変わらない。いつもの自分のままで臨むと、すべてが楽しいと感じられるんです。

――そんな生活のなかで、リラックスするためにしていることはありますか?

強制的に思考を断ち切るには、身体を過酷な環境に置くのがいちばんなので、サウナでボーっとすること(笑)。次に料理。野菜を切っている間、目の前のことだけを考えていると、いま自分が置かれている状況を傍らに置くことができて、終わった時には気持ちがスッキリしています。もうひとつは、映画やドラマを見ること。その世界に没入して、心を日常から切り離せますから。この3つがリフレッシュになっていますね。

o6w1br4lsogcezym3vev7rjw撮影:阿部裕介

勝負の40代を迎えて

――10代の頃から芸能界で活動されています。40代を迎えて、仕事観や人生観の変化はありますか?

自分の取り扱い方が分かってきて、生きやすくなったと感じます(笑)。若い頃は、精神的な面でジェットコースターみたいに浮き沈みがあり、感情の起伏が激しくてしんどかったんですけど、いろいろなことを経験して、自分自身も他人も受け入れることができるようになって。とくに子育てを経たことが大きいと思います。いい意味で楽になりました。

仕事では、20年以上芸能界で経験を重ねてきたことで、ありがたいことに、力になってくれる方や励ましてくれる方が周りにできて、やりたいことを実現しやすくなりました。でもこれから50代に入ると、いまより体力や思考のペースが落ちてくるかもしれないので、自分の中でも「40代こそが勝負だ!」って気合いが入っています。

――そんななか、いまのご自身の課題に感じていることはありますか?

忙しくて自分に余裕がなくなると、仕事に対して否定的な感情を持ったり、精神的にネガティブになることがあるんです。とくに大きいプロジェクトに関わっていると、「私にはもう無理」って思うようなことがあって……。外からはメンタルが強そうに見えるのかもしれませんが、実はそうでもないんです(笑)。

でも、使命感を持つ人たちと仕事をしていると、そういう時間が圧倒的に少なくなる。楽しいからやっている、そのために努力している、というシンプルな思考のもと、自分も使命感を持って作品に向き合っていきたい。そして、そういう思考に釣り合うような行動力を常に持ちたいですね。

――最後に、MEGUMIさんの野望を教えてください。

生涯を通して、年に1本、映画を作り続けることです。別に自分が製作することだけにこだわるつもりはなくて、意志のある誰かと力を合わせるのでもいい。 いま現在やっていることを続けていくうちに、いろいろな筋肉がついて、作り続けるための方法が見つかってくると思います。いまはとても充実しているので、これから野望がどうなるのか、ただただ楽しみです。

lp83xlupb8kse3ysscq2atcx撮影:阿部裕介

めぐみ/1981年生まれ。岡山県出身。俳優 、タレントとしてドラマや映画、バラエティなど幅広くメディアで活躍し、「第62回ブルーリボン賞」助演女優賞ほか数々の賞を受賞。「BABEL LABEL」にプロデューサーとして参加し、映像制作者としても活動する。プロデューサーを務めるNetflixの恋愛リアリティショー『ラヴ上等』は2025年配信予定。公開待機作に『かくかくしかじか』(5月16日公開)、劇場版『それでも俺は、妻としたい』(5月30日公開)など。著書に『キレイはこれでつくれます』(ダイヤモンド社)、『心に効く美容』(講談社)などがある。

JAPAN NIGHT in Cannes 2025

ファウンダーである俳優/プロデューサーのMEGUMIをはじめ、表現者や創り手たちが中心となって開催する、日本映画や日本文化の魅力を世界に発信し、新たな国際的ネットワークの構築やビジネスの創出・促進を目指す国際交流イベント。世界各国の映画業界関係者をはじめ、メディア、政治・経済分野のリーダーが集う「第78回カンヌ国際映画祭」の会期中に実施される。

開催予定⽇:2025年5月16日

会場:ホテル マルティネス(カンヌ)

総参加者数(予定):約1000名

【プログラム】

・トークセッション/プレゼンテーション

登壇する監督や俳優による作品や活動の紹介、クロストークを通じて、その魅力や背景を多角的に共有。

・ショーケース

日本文化を「体験し・体感する」コンテンツを展開。ライブパフォーマンスを交え、五感で味わう日本の魅力を紹介。

・懇親会

映画業界および日本文化関連産業に携わる多様な関係者の出会いと交流を促進するネットワーキングの場。



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