「いつも浅い話ばかりで、深い会話ができない」「踏み込んだ質問は避けて、当たり障りのない話ばかりしてしまう」上司や部下・同僚、取引先・お客さん、家族・友人との人間関係がうまくいかず「このままでいいのか」と自信を失ったとき、どうすればいいのでしょうか?
世界16カ国で続々刊行され、累計26万部を超えるベストセラーとなった『QUEST「質問」の哲学――「究極の知性」と「勇敢な思考」をもたらす』から「人生が変わるコミュニケーションの技術と考え方」を本記事で紹介します。

言いたいことがあるときに、わざわざ質問しない
最初に確認すべきは、「相手に何かを尋ねたいのか、それとも自分が何かを言いたいのか」だ。
これまで説明してきたように、私たちがふだん口にしている質問の多くは実は質問ではない。それらは質問の皮を被ったメッセージであり、後ろに疑問符がついているだけの発言である。
言いたいことがあるならそのまま言おう。わざわざ質問の形式にすると、邪魔になり、面倒を生むだけだ。
あせらずにじっくりと考え、言いたいことがあるのなら、質問ではなくストレートに伝えよう。
話をして、意見を述べ、議論をしよう。本当の質問ではない質問はすべきではない。
私たちは、自分が何をしたいのかよくわからないまま質問をすることがある。
おしゃべりを始めて、気がつくと質問をしている。はっきりとした意図などない。
だから、まずはこう自問しよう。
質問の目的は何か?
それはどんなカテゴリーに属する質問か?
質問でできることはいくつかある。
事実を確認する、相手の真意を問う、深い会話をする、課題を設定する、などだ。
事実を確認したければ、「誰が」「何を」「どこで」「どのように」「いつ」などで始まる質問になるだろう。
相手から主張や理由を引き出したければ、「なぜ」「その理由は何ですか」「どうしてそうすることにしたのですか」といった質問になるはずだ。
相手の真意を問いたければ、相手が発言した内容を繰り返す質問ができる。
質問の目的が思いつかない場合は、そもそも口を開くべきなのか、開くとしたらそれは質問なのか、発言なのかを考えてみる価値がある。
(本記事は『QUEST「質問」の哲学――「究極の知性」と「勇敢な思考」をもたらす』の一部を抜粋・編集したものです)
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