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概要
この記事では、日本の宿泊業界向けSaaS企業「トリプラ(5136)」の株投資について検討されています。特に、6月16日に控えた決算発表を前に、トリプラの株価と将来性についての分析が行われ、流動性の低さやインバウンド市場の回復といった要因が強調されています。
要約ポイント
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企業情報:
- 株価:約2,650円
- 時価総額:約148億円
- 事業内容:AIチャットボット・予約システムの提供
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流動性の低さ:
- 株式発行数:約589万株
- 日次出来高:20-40万株
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インバウンド回復:
- 訪日外国人数が増加し、宿泊施設が追い風に
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財務面:
- PER 36.6倍、PBR 11.75倍、自己資本比率9.7%
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戦略的M&A:
- BookandLink社の完全子会社化(2024年8月予定)
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収益多角化:
- チャネルマネージャー事業の追加
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決算期待:
- 2025年第1四半期は前年比30-50%の増収増益予測
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株価予想:
- 好決算時の目標価格:3,500-4,000円
- 想定通りの場合:2,800-3,200円
- 期待外れの場合:2,200-2,500円
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テクニカル分析:
- 2,700円付近にレジスタンスライン
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投資戦略:
- 積極的:分割購入
- 慎重:決算後の押し目買い
- 短期:決算時に需給逼迫を狙う
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最終的な推奨度:
- 投資推奨度:やや強気(5つ星中4つ)
- まとめ:
- 流動性の低さがトリプラの強みであり、現在の株価水準でも投資妙味があると結論。
6月16日に控える決算発表を前に、トリプラ(5136)への投資を検討しました。
結論として、流動性の低さという隠れた武器を持つ銘柄であり、現在の株価水準でも投資妙味があると判断します。
1. 基本情報と現在の状況
株価: 約2,650円
時価総額: 約148億円
次回決算: 2025年6月16日
事業内容: 宿泊施設向けAIチャットボット・予約システム
トリプラは宿泊業界に特化したSaaS企業で、AIチャットボット「tripla Bot」や予約システム「tripla Book」などを展開しています。
2. なぜ今、トリプラなのか
2.1 最大の武器:流動性の低さ
この銘柄の流動性の低さに注目します。
発行済株式数:約589万株
日次出来高:20-40万株程度
売買代金:1-2億円
2022年11月上場と日が浅く、機関投資家の認知度も低い状態です。つまり、わずかな買いで株価が大きく動きやすいということです。好決算が出た場合、需給逼迫による急騰余地は大型株では考えられないレベルです。
2.2 インバウンド回復の確実な恩恵
2025年のインバウンド市場は爆発的な回復を見せています。
3月の訪日外国人数:349万人(前年比13.5%増、月間過去最高)
年間予測:4,020万人
トリプラの主要顧客である宿泊施設にとって、これ以上ない追い風環境です。
3. 財務面の現実
PER36.6倍、PBR11.75倍という水準は決して安くありません。自己資本比率も9.7%と低く、財務レバレッジが高い状況です。
ただし、これらの数字は「高成長企業への期待値」として一定程度正当化できます。ROEが19.88%と優秀な収益性を示していることも安心材料です。
4. 見落とされがちな材料
4.1 戦略的M&Aの完了
日本政策投資銀行と共同買収したBookandLink社を2024年8月に完全子会社化。インドネシアで2,465施設への導入実績を持つ同社の統合により、事業基盤が大幅に拡大しました。
4.2 事業の多角化
これまでインバウンド需要に依存していた印象がありましたが、チャネルマネージャー事業の追加により収益源が多角化されています。台湾、韓国、インドネシア、フィリピン、香港など7カ国への展開も順調です。
5. 6月16日決算への期待
第1四半期(2024年11月-2025年1月)の決算では、インバウンド回復の恩恵が確実に数字に表れるでしょう。2月は前年比16.9%増、3月は13.5%増と、第2四半期以降も高成長が継続しています。
M&A効果も含めて、前年同期比30-50%の増収増益を予想します。
6.決算後の株価予想
好決算の場合(確率35%): 目標価格 3,500-4,000円
流動性の低さが最大限に効き、ファンダメンタルズ改善に加え、需給逼迫による急騰が期待できます。
想定通りの場合(確率50%):目標価格 2,800-3,200円
市場予想通りの成長でも、流動性プレミアムにより上値余地があります。
期待外れの場合(確率15%): 調整価格 2,200-2,500円
一時的な調整はあっても、事業基盤がしっかりしているため下値は限定的です。
7. テクニカル面での注目点
チャート上では2,700円付近にレジスタンスラインがあります。ここを突破してレジサポ転換が確認できれば、より安全性の高いエントリーポイントとなります。
8. 投資戦略
積極的な投資家: 現水準からの分割購入を検討。流動性の低さが最大の武器となります。
慎重な投資家: 決算後の調整局面(2,300円以下)での押し目買いがおすすめです。
短期トレーダー: 決算発表時の需給逼迫を狙った戦略も有効です。
9. 最終的な投資判断
投資推奨度:やや強気(5つ星中4つ)
高いバリュエーションというリスクはありますが、それを上回る材料が揃っています。特に流動性の低さという隠れた武器は、他の銘柄にはない大きなアドバンテージです。
決算を待つよりも、流動性プレミアムを狙った先回り投資の方が妙味があると考えています。
10. まとめ
トリプラは「流動性の低さ」という客観的な強みを持つ、インバウンド回復の受益株です。PER36倍という高い期待値は確かにリスクですが、需給要因を考慮すれば現在の株価水準でも十分な投資妙味があります。
6月16日の決算発表に向けて、注目していきたい銘柄の一つです。
—本記事は投資の参考情報であり、投資判断は自己責任でお願いします。
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