水曜日, 6月 4, 2025
- Advertisment -
ホームレビュー映画じゃあもう、俺はどんな立場で感想を書いたらいいんですか?『サブスタンス』感想文長押し

じゃあもう、俺はどんな立場で感想を書いたらいいんですか?『サブスタンス』感想文長押し

🧠 あらすじと概要:

映画『サブスタンス』あらすじ

『サブスタンス』は、愛されることの難しさとその裏に潜む社会的な問題を巧みに描いた作品です。物語は、若者が自らの過去を振り返りつつ、愛や自己価値についての葛藤に苦しむ様子を中心に展開します。主人公は、男性からの評価や愛によって自らの価値を見出そうとし、その中で様々な感情、特に嫉妬や悔しさ、空虚感を抱えることになります。また、劇中の男性キャラクターが露悪的に描かれており、彼女の自己認識をさらに複雑にします。

記事の要約

この記事では、映画『サブスタンス』を観た感想が述べられています。著者は、愛されることの意味や、そのために女性が直面する社会的な圧力について考察しています。その中で、自己責任論や受動的な「愛される」という概念に対する疑問が浮かび上がり、特に女性に対する価値観の傲慢さに痛みを感じています。映画はルッキズムやエイジズムをテーマにしつつ、主人公の解放や葛藤を描き、最終的には人生の矛盾を突き詰める内容で締めくくられていると評価されています。著者はこの映画を心に残る作品として位置づけつつも、再度観ることはないと述べています。

じゃあもう、俺はどんな立場で感想を書いたらいいんですか?『サブスタンス』感想文長押し

サブスタンスを観てきた。感想を書くにもネタバレになりうる要素しかないので、これを読む方は観てから読んでください。

この辺まで区切れば良いでしょうか。

いや私、それなりにフェミニズムとかリベラルとかフェアネスとか勉強してきたせいで、ミソジニーもマチズモも、これからもこれまでもある怨嗟を見ながら生きてる20代なわけですよ。

苦しいって。愛されると書くには傲慢だけど、余裕で何かしらの妥協をしたら愛されるような人が足掻いて足掻いて、当時の自分が愛されてきた≒消費されてきたプロセスを追体験しつつ強くてニューゲームをしようとするの、苦しいって。

劇中に出てくる「男性」がとことん露悪的であったのは置いといて、それでも(そんな男に消費されることでしか愛を担保できなかったの、なんで……?)みたいな最悪の自己責任論が出てきてしまったことに、絶妙に観客である自分が男性的であることを実感させられて苦しくて仕方がなかった。どうせこんなことを書いてたらチン騎士とか言われんでしょ?いいよそれでもう。

『愛される』ということについて考えたいんですよ私は。そもそも「愛される」という言葉が妙に引っかかるわけですよ。「愛」「される」ってなんすかね。受け身過ぎやせんか?

自分の何かしらを、それを評価する他人の尺度においてOKが出て、それによる波及が愛であるのだとすれば、それは愛たるものなのか??本当に??このリベラル(笑)な社会で??

愛されたいんですよ。そりゃそうですよ。よしよしされたいし、何を頑張ったか知られなくとも「頑張ったね」の一言で明日もやっていけるのか人ですわよ。

それを!!!かつての自分の栄華の擬人化が無責任な男からの愛撫で満たされてご覧なさいよ!!嫉妬でも悔しさでもなく、そりゃあやるせなさと掴めない空虚さに包まれるでしょうよ!!!デミムーアの半生を知ったことのない俺だって思いますよ。傲慢でした。

無節操にされた人間が、いざ誰かに愛される、いわば受容されるには、かつての自分に、これまでの自分を埋め込んだ存在になることでしか克てないなんてそんな、そんな残酷なことあるんですか?

女の価値は50歳を超えて子供を成せなくなったら終わりだなんて、何をどうしたらそんな傲慢なことが言えるんでしょ。俺のおかんは最高に格好いいし大好きだ。言わされているわけではなく、可能なら俺の寿命を3,4年くらいなら綺麗さっぱりあげたいし、それでその辺の温泉に行ってほしい。それをなんだ、女の価値だなんて。

美醜を超えた存在になった瞬間からしか発せない、「それでも私を愛してくれますか?」なんてこと、そんなことをヒトに言わせちゃいけませんよ。

最近のDEI的な作品ではない、きっちりと筋の通ったルッキズムとエイジズムを叫ばれ、そして最後の最後で俺の大好きな人間の喘ぎと解放、そして超克によって終えてくれた今作が、私は今年ベストでは無いにしても、当分二度と観たかないけど、生涯ベスト14くらいに入るそれでした。



続きをみる


Views: 0

RELATED ARTICLES

返事を書く

あなたのコメントを入力してください。
ここにあなたの名前を入力してください

- Advertisment -